Varnish6.0.4/6.2.1が公開されました。
今回の更新はセキュリティ上の問題の修正(VSV00003/CVE-2019-15892)です。
Varnishに存在するヘッダのパース処理の問題により細工されたHTTPのリクエスト(keep-alive)によりassertを引き起こさせ結果としてVarnishを再起動させることが可能です。
影響を受けるバージョンについてと修正
- 6.1.0~6.1.1および6.2.0
- 6.2.1で修正
- 6.0.0~6.0.3
- 6.0.4で修正
なお6.0.0未満のバージョン(以前のLTSだった4.1も含む)についてもパース処理に同様の問題はあるもののassertがなかったため影響を受けません。
VCLによる緩和策について
すぐにアップデートできない環境向けにVCLでの緩和が可能で公式で紹介されています。
実際のコードは公式を参照してください。
単純な緩和策
今回の攻撃の成立条件としてkeepaliveが必須なので、単純な方法としてはクライアントにレスポンスする際にConnection: Closeを返却する方法がありますが、当然パフォーマンスにインパクトがあります。
複雑な緩和策
なるだけパフォーマンスに影響を与えない形で緩和するためのVCLも提供されています。
ただしこれはインラインCを使っている関係でサポートしているバージョンが
- 6.2.0
- 6.1.1
- 6.0.3
と限られています。
その他変更について(6.0.4)
6.2.1の変更は今回のセキュリティ修正のみですが、6.0.4についてはもともと積んでいて6.0ブランチにコミットされていたバグ修正や改善も同時に入っています。(かなり少ないですが)
その中で一部を紹介します
std.ipのデフォルトポートを指定可能に
std.ipは文字列をIPアドレスに変換するメソッドですが、もともとポート番号は80固定となっていましたが、pというパラメータが追加されて指定可能となりました。
デフォルト値は今まで通り80なのは変更ありませんので今まで使っていても新規に指定が必要というわけではありません。
そのほか
また、今回の更新については以前紹介したVML購入者向けのVIVU-listに事前に通知されました。そう高くもないですし使っている人は検討してもよいかと思います。
あともともとの次のリリース予定日が9/15だったんですが、どうなるんだろ・・